ギタリスト・前原孝紀さん。確か8年ほど前に青山プラッサ・オンゼの
ブラジル音楽ジャムセッションでお会いして、Liveにも伺ったご縁で
時々ご一緒させて頂いていましたが、先日ご病気で亡くなられました。
あまりに突然すぎてすぐには受けとめられなかったけれど、
ご一緒した時の音源や写真を探しては、あの美しい音世界を思い出しています。ぶっきらぼうで、ちょっとやそっとのことでは笑ってくれず(お酒が入ると饒舌になり笑ってくださることも)、とても実直で、音楽に関することにはいつも真っすぐで。耳慣れた曲もとても斬新にアレンジされたり、何処へ向かうかわからないスリルや、スイング感・グルーヴ感も独特でした。
皆さん仰るようにどのジャンルにも属さない、孤高のギタリスト。
歌伴も得意で、本当に沢山の唄い手に愛された前原さん。
最初にご一緒していただく前のある日、突然メッセージをいただいて
「昨日はLiveに来てくださってありがとうございました!KAYOさんのYouTube拝見しましたがやはり素敵な声ですね。機会があればぜひ」と。その時私はLiveに行っていなかったのです・・が、前原さんはどなたかと勘違いされたようでした。「顔だちもそっくりで、歌を唄っていると・・でもYouTubeの感想は本物です!」と。結局どなたかはわからなかったのですが、その方のおかげで少し距離が縮まり、その後本当に前原さんのリーダーLiveに伺って、Duo Liveをご相談させて頂いたのでした。周りの歌手の方からも、「前原さんのギター本当に美しくて変態で(誉め言葉)素敵。かよさん合うと思う」と言って頂き、楽しみにしていたものです。そして噂通り、繊細で独創的なギターで、ジャズからポップスからブラジル音楽から、何でも前原流に美しく料理してくださって。その音源を今聴き返すと、やはりキラキラと硝子に反射する光のような音色で、ジーンとしてしまいます。。
その後は、写真のようにいつもお世話になっている7弦ギター尾花毅さんとのトリオでブラジル音楽を演奏したり、フレットレスベース織原良次さんとのトリオではジョニ・ミッチェルのトリビュートLiveをカフェ・ムリウイで演奏したり。貴重な思い出です。尾花さんとのトリオでは、お二人の全く違うギターの音色の重なり合いが本当に美しく、時にスパークして楽しいのです。近々またご一緒しませんか?と、久しぶりに連絡しようと思っていたところでした。ちょうど今日あたりに・・。
一見して寡黙で無表情、でも面白くて優しくて、大好きでした。
ご一緒するのも勿論楽しかったけれど、前原さんのオリジナル曲ソロギターが素敵で、
ゆったり揺蕩うような曲もあれば、スリリングでグイグイ引っ張られるような曲もあって。
一部残された音源を辿りながら、時々彼を想い出そうと思います。前原さん、ありがとう。
コメントをお書きください