日曜日、大学入試で上京していた甥っ子に会いに久しぶりに音楽以外の外出。
その後、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムのミロ展を観に行ってきました。
Bunkamuraの展示はいつも混みあっている印象で遠ざかりつつあったのですが、
この日は事前予約ということもあってか、比較的ゆっくりと見られました。
画家ジョアン・ミロと日本との繋がりを軸にした展示。この時代の欧州の画家は
ジャポニズムの風潮で日本に影響を受けていたアーティストも多かったはず・・。
でもミロは実際に来日して、そこでどんな風に交流して、日本の何に感心を持って
どんな風に自分の表現に反映させていったのか、という様子が今回は興味深かった。
特に、書や墨という素材を、巧みに取り入れた絵画は本当にカッコよかった!
漢字を自分の画風とリンクさせて表現していたのも、縦書きや当て字のサインも。
ミロの作品はこれまでNYのMoMAやバルセロナのミロ美術館、おそらくパリでも色々観てきているはずだけれど、
野外に彼の彫刻もある南仏・マーグ財団美術館がいちばん印象的でした。いつも、心の奥の心象風景みたいで、
忘れていた感覚を呼び覚ましてくれるというか・・。「おかしみ、素直さ、自由さ」をあらためて感じました。
"Joan"はスペイン語発音では「ホアン」、でもカタルーニャ語では「ジュアン」もしくは「ジョアン」なのだとか。
だから彼は後者だと。スペルは違えど同じ「ジョアン」だからか、ブラジルの音楽家ジョアン・ジルベルトさんや
ジョアン・ドナートさんにも通ずるような、子供のような心、いたずら心のようなものも感じてしまいます。一方で
官能性や原始的なもの、何か矛盾するものが同居するような、そんな表現もあったりするのが、魅力なのかも・・。
アトリエの写真を見ていたら、岡本太郎さんのアトリエがふっと浮かび・・やはりどこか親和性を感じてしまう。
太郎さんといえば、渋谷駅の壁画「明日の神話」。いつもその時々、通りがかるたびに色々なイメージを受け取るけれど、
この日は特にグッと胸に迫るものがありました。折しもハチ公前では、小規模ながら反戦デモが(前日は大規模だったそうですね)。
ここ数日、ずっと胸の奥が痛むような、祈るような思いでニュースを追っていますが、本当に一刻も早くウクライナ、ロシア、
欧州、そして世界に穏やかな日が訪れますように。そしてアートや音楽が、少しでも人々の心を和らげるものとなりますように。
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