ニッポン美術展&ブラジル手仕事展へ

ずっと在宅で頭がプスプスしてきたので、

とても久しぶりに美術館へ出かけました。

 

まずは、皇居すぐ近くにある国立近代美術館へ。

日本画の加山又造さんの月の作品が観られるというので、

会期もうすぐ終わり(9/26まで)のところ、滑り込み。

12年程前に、加山又造展を観た時の鮮烈な印象が

ずっと記憶に残っていて、ようやくまた拝めました。

今回は、知らなかった面も垣間見られて嬉しい発見も。

 

メインの企画展である隈研吾氏の展示は賑やかな様子だったけれど、そちらは何故かあまり惹かれず・・。こちらは常設コレクションの一部ということもあり、それほど期待せずに行ったのです。が、横山大観、東山魁夷、藤田嗣治、小原古邨をはじめ現代作家に至るまで、彫刻なども含めて、なかなか見ごたえのある内容でした。

 

特に横山大観作品「生々流転」などは、今ちょうど唄おうとしている曲の解釈の世界観とリンクしていて、思いがけずヒントをいただいたり。あとは、あらためて東山魁夷作品の色彩の妙やその奥にある思いを、色々と想像しながら眺めたり。フジタ氏の乳白色の美しさだけでない、胸に迫るような戦争画。小原古邨の木版画の色彩や構図も素晴らしかった。

今まであまりじっくりと鑑賞してこなかった日本画や日本美術、これからチャンスがあればもっと深く観ていこうと思ったのでした。

 

今回は日本的なところから近代化・西洋化の流れの中で、画家がどうアイデンティティを模索していったか?が垣間見える展示内容だったけれど、確かに遠くから見ればピカソやマティスの絵に見えるような作品も幾つか。客観的にそういうものを観て、音楽に置き換えてみると色々考えさせられたりも。憧れや影響は受けたとしても、そこからどう表現したら面白いのか?というのは、永遠の課題だったりするのでしょうね。日本独自の美意識、というのをまた目を凝らして観てました(大学時代のゼミのテーマでもあったので)。「見ている世界」を「見たい世界」にする、ということも、ぼんやりと。

そして、次は銀座の並木通りにある無印良品の6F, Atelier MUJIへ。文化人類学者・山口吉彦氏が収集したというアマゾンの民族資料(道具など)を展示する『野生の手仕事と知恵』展。こちらもずっと気になっていたので、この機会に寄ってみることに。思っていたより小規模な展示だったけれど、よくよく見てみると、先日のブラジル料理にも使ったマンジョッカ(芋)の毒抜きの道具「チピチ」とその様子を撮った映像、抱っこ紐、「むしり取らない」羽根などなど、色々と生活の知恵が垣間見られて興味深かった。たまたま今回はブラジル・アマゾン地域が中心。でもこれはきっとエリア限らずだなぁと。その土地に応じた生活の知恵って、何処にでもあるものだし、活きているものですよね。でも遠い地球の裏側のことだから、やっぱり面白い。そして物販コーナーには、お土産のようなものから、資料レベル?の貴重な感じのものまで色々並んでいました。アマゾン・・自分はおそらくそこでは生活できない、ことがわかっているからこそ、惹かれてしまうのかも。人もまばらなAtelier MUJIのカフェコーナーでしばし寛いて、本当に久しぶりにリフレッシュできた気がした午後でした♪

 

さて、日常に戻って、来週末のリハーサルの準備へシフトしてゆきます。息抜き、大事ね。皆さまもひと休み、大切に!