ピアニスト・伊藤志宏さん

 いよいよ今週末!7/16(日)の18時半から、吉祥寺の名店Stringsで、ピアニスト伊藤志宏さんとのDuo Liveです。今回は、ブラジルの巨匠・Antonio Carlos Jobimの楽曲だけを演奏するLive。Bossa Novaというよりは、ブラジル的に言えば『カンサォン』(うた)。志宏さんが弾くわけですから、ブラジリアン・ジャズ的な要素も。よく知られる曲から隠れた名曲まで、志宏さんの耽美なピアノと私の唄でお贈りします。


志宏さんのピアノに初めて触れたのは、もう思い出せないぐらいナチュラルな流れだったと思います。今回も出演させて頂く大好きなお店・吉祥寺Stringsに沢山出演されていたり、もともと好きなピアニスト丈青さんと2ピアノLiveをされていたり、あとはやはりVocalistとのコラボ作品(ご自身初のリーダー作)を聴かせて頂いたり。ソロピアノLiveのほかにも志宏さんがアコーディオンを弾くAuduce、そしてコモブチキイチロウさん(b)や大儀見元(perc)さんも参加されているラテンユニット「オバタラセグンド」など、純粋にファンとして愉しませていただいていました。お話しするようになったのは、ごく最近のことです。

私にとっての志宏さんのピアノの魅力は、前回の記事にも書きましたが、「綺麗なだけではない、でも時折とてつもなく美しい」ところ。この「綺麗なだけではない」というところ。別の言葉で私なりに言うと、とても人間的である、ということなんです。誰もが持つ、「光」の部分と深淵な闇のようなもの。無垢なものと、艶のあるもの。それら両方を美しく表現できる。そして、彼自身のお人柄もそうなんですが、ふだん表に出されているよりもずっと繊細で、情熱的で、優しく、美しいものをお持ちなのだと思うのです。
そして、お聴きのとおり、独創的ですよね。何かあたらしいものを表現できる、そういった気概が素敵だと思います。

初めてちゃんとお話しした時は、それはそれは、根掘り葉掘り訊かれました(笑)。どんなふうに、ここまで来たか。好きな音楽、娘のこと...。この歳で、あんなに自分のこれまでのことを話したのは久しぶりだったような気がします。年齢でいえば私の方が上なのですが、音楽家としてはとても厳しい面をお持ちで。そして、とてもアーティスト気質。ある意味こんなに正直でいられる人がいるんだと、羨ましくさえあります。ご本人はそう思っていないでしょうけれど(笑)。

 

さて長くなりました。そんな訳で、今回は「透明感のあるジョビン」ではなく、ヴィニシウスの詞やシコ・ブアルキ、ドローレス・ドゥラン、そしてジョビン本人の詞や唄の中に見え隠れする、「人間らしさ」も表現できたらと思います。以下、志宏さんのプロフィールをどうぞ。

 

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【伊藤志宏/Shikou Ito(piano)】

ピアニスト/作曲家/アレンジャー/プロデューサー。東京都出身 。

 

5歳の頃より祖父の岸川基彦にクラシックピアノを師事。14歳の時、東京交響楽団とベートーベン・ピアノコンチェルト三番を共演、好評を博す。慶応義塾大学経済学部入学後、セロニアス・モンクのソロピアノのCDを聴き、独学でJazzを弾き始める。2000年以降プロとしての活動を開始。

特にドラム、ベースのいない変則形態における演奏には定評がある。また、沢山の歌手から伴奏者、アレンジャーとして信頼を寄せられる。現在、ソロピアノ、ピアノトリオほか、多様な編成において独自の活動を展開中。

<audace>
22歳の頃にフランス人アコーディオン奏者リシャール・ガリアーノを聴きボタン・アコーディオンを独学で始め、クラリネットの北田学と「audace」を結成。3枚のオリジナルアルバムのほか、ビクターから発売されているコンピレーション2作品に参加。

"RE-ENTER THE DRAGON"(ブルース・リー・トリビュート集)にてプロデュース、アレンジを担当。ナレーション(詩の朗読)に女優の緒川たまきを迎え共演。

2010年Rambling Recordsから2枚の作品"pass-port"を発表。2016年"laperirostum"リリース。

<Shima & Shikou DUO>
トランペット奏者、島祐介とのデュオ。2007年7月には国内最大の音楽フェスティバル、FUJI ROCK FESTIVALにインストのduoとしては史上初の出演を果たし、好評を得る。更に2008年2nd album "Road To The Deep North"が渋谷タワーレコード店にてjazzチャート1位獲得。翌年には、ビクターエンターテイメントより3rd album"Poetry"を発売してメジャーデビュー。

<リーダー作>

◾️2012年 "Ladies & Pianoman"
(自身の初リーダー、プロデュース作品)

ウィリアムス浩子、畠山美由紀、青木カレン、一青窈、たなかりかなど10人のボーカリストを集め、ジャズスタンダードを独自の解釈で表現。

更には、一青窈のライブサポートやUAのアルバム「SUN」に参加、畠山美由紀のライブサポート、2006年8月にメジャーデビューのロックバンド「歌姫楽団」のサポートなど多方面で活動。

◾️2013年「ヴィジオネール」
(全曲オリジナル、ソロピアノ作品)

◾️2014年「タペストリア」/伊藤志宏 3cello variation

全曲書き下ろしオリジナルを3人のチェリスト と共に奏でる、幽玄で耽美な音の短編集。

<活動中のバンド>
audace、shima&shikouDUO、自己のpiano trio、piada(flute/cello/piano)、庵原良司(t,sax)オレバンド、橋本学(ds)トリオ、中路英明(tb)オバタラセグンド、中路英明duo、青木カレングループ、ウィリアムス浩子グループ、maiko(violin)グループ、3cellos variation、鈴木よしひさ Better Notes、与太郎夜奏団(w/竹中俊二)、トリオシンクレティア(w/大儀見元、坂井紅介)、等

<主要参加作品>
*UA「sun」ビクターエンタテインメントより発売
*渡辺てつ カルテット 風 1st album「一陣の風」
*歌姫楽団 1st album「彩色千輪菊」
*庵原良司オレバンド 1st album「未熟人」
*青木カレン「karen」「SHINING」ほか
*田中詩織 1st album「田中詩織meets伊藤志宏 The Viola」(四曲楽曲提供、produce)
*nobie 1st album「Primary」
*piada 3rd album「雪原夜想曲」(六曲楽曲提供)
*shima&shikouDUO 4th slbum「呼吸」
*maiko 4th album「HOPE」

<共作アルバム>
*藤本一馬(orange pecoe)duo/Wavenir
*佐藤芳明(accordion)duo/Coreograph ほか