映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』

思い立って、映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』を観に、渋谷UPLINKへ行ってきました。UPLINKは、10年前にデートで行って以来。あの頃は若かった(笑)。
 

今もNYに住むシーモア・バーンスタインという元一流ピアニスト、現ピアノ教師の語る言葉を軸に繰り広げられるドキュメンタリー。予想どおり、とっても素敵な映画でした。潔いその生き方が人生のヒントになるのは勿論、音楽を志す人には特に響く作品だと思います。

人生折り返し地点で色々と悩める今、沢山の宝石のような言葉で、シーモアさんに励まして貰った気分。

ところどころ琴線に触れ、気づけばポロポロと涙が。次から次へと、聞き逃せない言葉の連続で。

 

"音楽に対する最初の反応は、知的な分析なしに起こる。たとえば才能豊かな子供は、音楽の構造的なことや背景を知らずとも、音楽をとても深く理解できる。こうした無知さ(innocence)には、大人も学ぶことがある。だからこそ練習の時は、過剰な分析を避けるべきだ。そして音楽そのものの美が現れるままにする。さらに自分も、その美に感化されるままにする。禅の思想家は言った。“菊を描く者がすべきことは、自身が菊になるまで10年間、菊を眺めることだ”

 

「音楽そのものの美が現れるままにする」。至言ですね。

何となく感じてきたこと、ぼんやりしていたことを
次々に素敵な言葉にしてくれて、救われた気分でした。

 

音楽家やパフォーマーでなくとも、そのシンプルで潔い生き方に学ぶことは沢山あると思います。

日本では「シーモアさん...」とタイトルが付けられ、素敵なイラストが描かれていて、どちらかというと女性向けにアピールされているように思うのですが、男性の方にもぜひおススメしたい映画です。

 

■公式サイト:http://www.uplink.co.jp/seymour/